夫婦で結婚相談所を始めたいけれど、「本当にうまくいくのか」「収入は安定するのか」「お客様は集まるのか」そんな不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
起業には夢がありますが、同時に“リスク”も伴います。
特に結婚相談所のように「人を相手にする仕事」は、やりがいや社会的意義が大きい反面、収益化の道筋を明確にしておかないと不安が尽きません。
そこで今回は、実際に夫婦で結婚相談所を立ち上げた先輩たちの事例を交えながら、失敗しにくい開業ステップと、夫婦で始めるからこその強みを解説します。
先輩相談所はこうやって開業した!
「主人が『結婚相談所をやりたい』と言い出したとき、正直驚きました。
当時はお互いに会社員で、安定した生活を手放すのは怖かったんです。
そこでまずは私が副業として始め、主人には休日にサポートしてもらう形にしました。
数年かけて経営が安定し、4年目には主人も会社を辞め、今は二人で本格的に運営しています。」
これは、実際に成功したご夫婦のリアルな声です。
最初からいきなり二人とも退職してスタートするのではなく、「まずは片方が挑戦し、もう一方がサポートする」という“段階的な独立”が、成功している夫婦の共通点です。
開業初期は、会員数が少なく収入も安定しません。最初の1〜2年は、広告を打ってもすぐに成果が出ない時期もあります。
しかし副業として始めれば、生活の不安を最小限にしながら運営ノウハウを身につけることができます。
また、結婚相談所の経営が安定してくる目安は、会員数30名ほど。
このラインを超えると、紹介料や成婚料が安定的に入り、夫婦のどちらかが本業として専念できる段階に入ります。
「やってみたい」という気持ちは大切ですが、勢いだけで始めると資金面での不安が残ります。
まずはリスクを抑え、時間を味方につけるような“副業スタート”を意識して計画を立てましょう。
初期費用・ランニングコスト・収益モデルの目安
結婚相談所の開業に必要な初期費用は、10万円〜50万円程度が目安です。
加盟金・研修費・システム利用料などを含めても、他業種の開業に比べて圧倒的に低コストで始められます。
店舗を持たずに自宅で運営できるため、家賃や人件費といった固定費もほとんどかかりません。
ランニングコストとしては、主に次のような項目があります。
・連盟やシステムの月額利用料(1万円〜2万円前後)
・ホームページ維持費(数千円〜1万円)
・名刺やチラシなどの宣伝費(必要に応じて)
そのため、毎月の固定費を抑えながら運営できる点が、結婚相談所ビジネスの大きな魅力です。
一方で、収益の柱は「入会金」「月会費」「成婚料」の3つ。
たとえば会員が30名ほど在籍し、毎月の活動サポートを継続できていれば、月20〜40万円程度の安定収益を得られるケースも珍しくありません。
さらに、成婚者が増えると紹介や口コミも増え、年収600万円〜800万円規模に成長する相談所もあります。
もちろん地域差や活動スタイルによって数字は変わりますが、「低コストで始められ、努力次第で安定収入を得られる」それが結婚相談所の大きな強みです。
脱サラしてすぐにでも始めたい方へ
「すぐにでも夫婦で始めたい」「どうせやるなら本気で取り組みたい!」という方もいます。
実際、脱サラ後すぐに軌道に乗せた夫婦相談所も存在します。
ただし、成功している方には共通する特徴があります。
・前職の人脈を活かせる人
以前の職場や取引先など、既に信頼関係がある人脈を活かせる方は、最初の紹介や会員獲得がスムーズです。
・未婚の知人・友人が多い人
周囲に独身の方が多ければ、初期の会員募集や口コミが自然に広がります。
・人をつなげることが好きな人
もともと合コンやイベント主催が好きな方は、婚活の場づくりに向いており、会員に信頼されやすいです。
・営業力・発信力がある人
SNSやブログで自分の考えを発信できる人は、共感を生みやすく集客スピードも早い傾向にあります。
上記のうち3つ以上に当てはまる方は、スタート直後から成果を出しやすいタイプです。
実際に成婚者を多く出している夫婦相談所の多くが、「最初の集客はネット広告に頼らず、リアルな紹介や地域活動を重視した」と語っています。
結婚相談所は“信頼”がすべて。
チラシ配布や婚活イベント、地域ボランティアなど、人と会う活動を続けるほど、口コミが広がり、安定した会員基盤が築かれていきます。
加盟 or 独立、どちらがいい?
結婚相談所を始める際、多くの方が最初に悩むのが「加盟して始めるか」「完全に独立して始めるか」という選択です。
それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが正解というわけではありません。
ご夫婦の性格や目指すスタイルによって、合う形は異なります。
まず、加盟型(連盟に所属して始めるタイプ)の最大のメリットは「すぐに会員紹介ネットワークに参加できる」点です。
加盟先が提供するシステムを使えば、全国の会員データベースにアクセスでき、自社の会員が少ない初期段階でもお見合いの組み合わせが可能です。
契約書・マニュアル・研修制度なども整っているため、初心者でも安心して運営を始められます。
その代わり、月額利用料や加盟金が発生するため、一定のコストは必要です。
一方、独立型(完全に自社運営で始めるタイプ)は、料金設定・サービス内容・ブランディングをすべて自由に決められます。
地域密着でオリジナルの相談所を作りたい方や、既に人脈・イベント運営経験がある方には向いています。
ただし、紹介ネットワークがない状態からのスタートになるため、最初は集客に時間がかかる傾向があります。
つまり、
初めての開業・サポート体制を重視する方は「加盟型」
自由度や独自ブランドを重視する方は「独立型」が向いています。
ご夫婦で相談し、「どちらのスタイルが自分たちらしいか」を話し合ったうえで選ぶのがベストです。
また、最近では「最初は加盟→数年後に独立」というハイブリッドな進め方をする方も増えています。
最初は安全に、軌道に乗ってから自由度を高める。
そんな柔軟な戦略もおすすめです。
趣味を活かした集客で差をつける
「営業が得意じゃない」「人脈もない」と感じている方も心配ありません。
集客のカギは“あなたの趣味”にあります。
たとえば、ある夫婦相談所は趣味のテニスサークルを活用して集客を行いました。
サークル内のメンバーやその紹介から会員が増え、最終的には紹介だけで会員50名を突破。今では100名以上の規模に成長しています。
他にも、
・料理教室の生徒さんから紹介を得た事例
・フットサル仲間からスタートした事例
・合コンを趣味で開催していた経験を活かした事例
など、成功例はさまざまです。
大切なのは「婚活に関心のある人が集まる場所」を自分で持つこと。
趣味サークルでも、SNSコミュニティでも構いません。あなたが中心となる場があれば、信頼関係をベースにした自然な集客が可能です。
もし「趣味がない」という方は、まず“思い”を発信することから始めてください。
「なぜ結婚相談所をやりたいのか」「どんな人の力になりたいのか」。
その情熱に共感してくれる人が、初期の会員になったり、周囲に紹介してくれたりします。
あなたの理念や温かい想いこそが、最大の集客ツールになるのです。
ご夫婦で結婚相談所を開業する3つのメリット

男女両方の視点でサポートできる
夫婦で運営する最大の強みは、「男女両方の視点でアドバイスできる」こと。
たとえば、男性会員には旦那さんが、女性会員には奥さんが担当すれば、同性だからこそ分かる感情や考え方を丁寧にサポートできます。
「男性の気持ちが分からない」「女性の考え方が理解できない」と悩む会員も多い中で、夫婦二人の目線から伝えるアドバイスは説得力があります。
男女両方の立場を尊重したサポートができるのは、まさに夫婦経営の最大の魅力です。
収入面のリスクを抑えながら始められる
夫婦のどちらかが副業として始めることで、家庭の収入が急に減るリスクを回避できます。
たとえば、奥さんがメインで運営し、旦那さんが休日にサポートする形なら、固定費を抑えながら安定的に成長が可能です。
また、夫婦で分担すれば業務の効率も上がり、予約対応・会員管理・お見合い調整などもスムーズに進みます。
「最初は副業→軌道に乗ったら本業化」という柔軟なステップを踏めるのも大きなメリットです。
結婚経験者だからこそ“リアルな寄り添い”ができる
結婚を目前にした会員の多くは、「この人で本当にいいのか」「結婚生活に自信が持てない」と不安になります。
そんな時、実際に結婚生活を経験している夫婦カウンセラーの言葉は非常に心強いものです。
「ケンカしても乗り越えられる」「思いやりが大切」など、実体験に基づくアドバイスは会員の心に響きます。
夫婦の絆がそのまま“信頼”となり、会員に安心感を与える──これこそが夫婦相談所の最大の価値です。
夫婦でうまくいくための「コミュニケーションルール」
夫婦で結婚相談所を運営する最大の強みは、互いに信頼できるパートナーが常にそばにいること。
しかし、同時に「仕事と家庭が一体化しやすい」ため、些細なすれ違いから不満が生まれることもあります。
長く続けていくためには、夫婦間で意識的に“話す時間”と“線引き”をつくることが大切です。
まずおすすめなのは、「仕事の話をする時間」と「家庭の時間」を明確に分けるルールを決めること。
たとえば、
平日は夜8時以降は仕事の話をしない
週に1回だけ“相談所ミーティング”を設け、業務の進捗を共有する
など、シンプルでも構いません。ルールを決めるだけで、お互いの心に余裕が生まれます。
また、「相手の得意分野を尊重する姿勢」も欠かせません。
たとえば、旦那さんが営業や分析が得意なら集客担当に、奥さんがコミュニケーションが得意なら会員対応担当に。
役割を決めて“口出ししすぎない”ことが、夫婦経営を長続きさせるコツです。
さらに、トラブルや意見の違いが起きたときは、「どちらが正しいか」ではなく「どうすれば会員さんにとって良いか」で話し合うことを意識してみましょう。
この“共通の目的意識”がある夫婦は、驚くほど強い絆を保ちながら運営を続けています。
最後にもう一つ大切なのは、感謝の言葉を忘れないこと。
小さな「ありがとう」でも、お互いのモチベーションを大きく高めてくれます。
結婚相談所という“人の幸せを応援する仕事”を夫婦で行う以上、まず自分たちの関係を大切にすることが、成功への近道です。
意外と多い?夫婦で結婚相談所を始めて失敗しやすいケース
どんな仕事にも「うまくいく人」と「つまずく人」がいます。
結婚相談所も例外ではなく、特に夫婦で開業する場合は、ちょっとした認識のズレや準備不足が失敗の原因になりやすいです。
ここでは、実際に相談所のサポート現場でよく見られる“失敗しやすいケース”を紹介します。
まず多いのが、「思ったよりすぐに会員が集まらず、焦ってしまう」ケース。
結婚相談所は“信頼”を積み重ねていくビジネスです。
開業してすぐに問い合わせが来るケースは稀で、半年〜1年ほどは“種まき期間”と考える必要があります。
焦って値下げしたり、サービスを詰め込みすぎたりすると、利益が出ないまま疲弊してしまいます。
次に多いのは、「夫婦の間で役割があいまいなままスタートしてしまう」ケース。
最初は一緒に頑張ろうと意気込んでも、運営が進むうちに「どちらが決めるのか」「どちらが担当するのか」が曖昧になり、衝突が起きることがあります。
これを防ぐには、開業前にしっかりと“役割分担”と“最終決定権”を決めておくことが大切です。
また、「自己流で始めて情報が偏ってしまう」ケースも注意が必要です。
婚活市場は常に変化しており、サポートの質を維持するには、定期的な勉強会や他相談所との情報交換が欠かせません。
成功している夫婦相談所ほど、他社の成功事例を積極的に学び、最新の婚活傾向を常にアップデートしています。
最後に見落とされがちなのが、「お互いへの感謝を忘れる」ケース。
仕事が忙しくなると「どうせやってくれるだろう」という気持ちが生まれがちですが、そうした小さな油断が夫婦間のすれ違いを生みます。
結婚相談所は“幸せをつくる仕事”だからこそ、まずは自分たちの関係を大切にする意識を持つことが何よりも重要です。
まとめ
いかがでしたか?
結婚相談所は、夫婦で力を合わせて運営できる数少ないビジネスの一つです。
副業から始めても良し、脱サラして本格的に挑戦しても良し。
大切なのは、お互いの役割を明確にして、同じ目標を共有することです。
また、夫婦で協力し合う姿勢は、会員にも伝わります。
「この二人のような関係を築きたい」と思ってもらえれば、それだけで相談所のブランド力になります。
最初の一歩は勇気がいりますが、準備と計画をしっかり整えれば、夫婦での開業は大きなチャンスになります。
あなたたちの“絆”が、誰かの“出会い”を生み出。
そんな素敵な相談所を目指してください。



